注文住宅を建てる際、多くのことに気をつけなければ失敗してしまう恐れがあります。知人のアドバイスや住宅展示場は、あくまで参考にするなど、ポイントを設計の段階で知っておくことで失敗や後悔を減らすことが可能です。この記事では注文住宅における失敗例と、後悔しない家づくりのポイントを紹介するので参考にしてください。
注文住宅の失敗例をご紹介
ここからは、注文住宅の失敗例を紹介します。
知人の成功例や住宅展示場をベースに考える
知人の意見や住宅展示場を参考にしすぎた結果、使いづらくなった失敗です。知人の成功例を聞いたり、きれいで整然とした住宅展示場に憧れを抱いたりした結果、自宅を同じように設計しようと思うかもしれません。
しかし、あくまで知人の成功例は、その知人の立場で使いやすかっただけに過ぎません。人はそれぞれ動き方や性格が異なるため、知人が好んでいる使い勝手や、デザイン、導線は自分にとってマッチしない可能性が高いです。
たとえば、広い家は一般的に清掃が大変なケースが多いです。掃除好きの知人の場合は掃除が苦にならなかったとしても、多くある部屋の掃除が苦になり、疲れてしまう可能性が考えられます。
また、家族ごとにライフスタイルや構成は異なるため、合わないことが多いです。よって、快適な設計やライフスタイルに合う間取りなどを自分メインに考え、知人の成功例は参考程度にとどめることが重要です。
住宅展示場の設計も、そのまま取り入れることで快適な生活を送れるとは限りません。住宅展示場は、スタイリッシュでデザインもよいため、憧れやすい一方で、生活感に欠ける傾向があります。
毎日の生活の中で、頻繁に目に入ることを考慮した落ち着きが見られない場合もあります。したがって、住宅展示場はあくまで設計の一例ととらえ、参考程度にとどめておくことが重要です。
設備や導線の考慮が足りない
人が生活するうえで、必要な設備や間取りを充分に考慮できなかった失敗です。エアコンや電気関係などの設備は、快適な生活に欠かせません。エアコンの設置場所や風向き、効果がある範囲、スイッチの場所などをしっかり考慮しなければ、設置した意味が薄れてしまう場合があります。
コンセントの数や位置も、不満が出やすいポイントです。また、人の動きである導線を考えた設計になっていないと作業がしづらく、けがや疲れにつながってしまいます。
多くの人が失敗しがちなポイント
注文住宅では、自分が使いやすい設計にすることを第一に考え、設備や導線の考慮が必要です。しかし、理想的な設計にしたと思っても、実際の生活では思いもしなかった不満点が発生するものです。ここでは、多くの人が失敗するポイントを紹介します。
キッチンの失敗
キッチンは毎日作業するスペースであるため、しっかりと設計しておかなければなりません。よく失敗するのは作業台の高さです。背の高さによって、作業性がよいキッチンの高さは異なります。知人の紹介を鵜呑みにして同じ設計にすると、作業が辛くなる可能性が高いです。
キッチンの家事動線が悪いことも問題です。ゴミ箱のスペースがない、パントリーがキッチンから遠い、シンクが狭すぎるなどが見られると、快適な作業ができないでしょう。
また、おしゃれなアイランドキッチンに憧れる方も多いでしょう。スタイリッシュでデザイン性が高いため、これで毎日料理したいと思う方も多いはずです。
しかし、ダイニングやリビングと隔離されず一体感がある一方で、収納やごみ、洗い物などがすべて見えてしまうという欠点があります。さらに、壁がないため油が飛び散り、リビングの床が汚れがちです。
設備の失敗
エアコンやコンセントの数や位置に後で不満が出るケースも大変多いです。性能が低く、効果が薄いケースや、風向きが悪いなどの失敗が見られます。可能な限り、部屋の大きさに合った、性能が高いものを買っておくことが重要です。
キッチンは夏場に非常に熱くなるため、適切にエアコンが当たらないと料理が困難になりかねません。風向きをしっかりと考慮しましょう。
埋め込み型のエアコンはデザイン性も高く、壁から突き出さないため人気があります。しかし、買い替えの際に同じものがあるとは限らないため、住宅展示場などのモデルをそのまま導入するのは得策ではありません。埋め込み型を考える際は、故障による買い換えを考え、費用を多めに用意しておくことが重要です。
また、快適に過ごすことを考えるあまり、すべての部屋にエアコンを設置してしまうと失敗します。使用頻度が低い部屋までエアコンを設置する必要はありません。電気代の関係で、使わない可能性が高いです。また、コンセントが少なく後悔することが多いです。
長期的に住むことを考えた設計になっていない
住居は長年にわたり生活するものです。快適に過ごすために住宅の基本性能は重要です。断熱などの基本的な住宅性能が低いと冷暖房効率が悪く、電気代がかさみます。また、間取りによっては光が入りにくい場合や、窓が大きすぎ、直射日光で暑くなる場合があります。
さらに問題なのは、家族の増減や、老化を考慮しない設計です。子どもが増えると部屋が足りなくなります。高いところに収納がある、階段が多いなども年をとったときなどに不便です。将来を考えて設計しないと非常に生活しづらくなってしまいます。
後悔しない家づくりのポイント
では、どのように設計すべきでしょうか。ここでは後悔しない家造りのポイントを確認していきましょう。
設備の向きと数
エアコンやコンセントなどの設備をしっかりと考え配置しましょう。キッチンは、エアコンの風が直接当たる位置に配置することが快適に過ごす上で大事です。コンセントは、用途や導線などを考えて設置します。コンセントは居室に最低2か所、リビングには5か所設置と、多めに設置することが大事です。
キッチンは作業性を考える
まず、作業台を考えます。背の高さにより、適切な高さは決まっています。夫婦で料理をする場合は、間の高さにするか、話し合って決めましょう。充分考慮しなければ、腰を痛めることにもなりかねません。
また、キッチンに収納が少ないと作業性が悪いです。収納は多めに設置しましょう。さらに、キッチンの作業スペースが狭いと非常に使いづらく、冷蔵庫のドアが開けづらくなる可能性があります。多くの収納場所を、効率よい作業ができる導線になるよう、適切な位置に配置しましょう。
けがのリスクも上がるため、ある程度の広さと効率のよい導線を確保しておくことが重要です。
長年住める住宅にする
住宅展示場などのスタイリッシュさはきれいに見えますが、自分が過ごしやすいかは別です。デザインよりも断熱などの住宅性能の高さを重視しましょう。また、加齢により筋力が低下しても住みやすい家に設計することが重要です。段差の多い間取りや、高いところに収納やスイッチを設置することはやめましょう。
まとめ
マイホームは人生で一番の買い物といっても過言ではありません。よくある失敗例を知っておくと、前もって対策できるため、よく確認しておきましょう。間取りや住宅性能などで失敗すると、後で修正しづらく、多額のお金がかかるため、住宅を設計する前にしっかりと考えておくことをおすすめします。生活しやすい住宅を建設する参考になれば幸いです。