建物の耐震性を表す指標のひとつに「耐震等級」があります。耐震等級によって、地震保険の割引やフラット35の金利が低くなる適用などがあります。そこで本記事では、耐震等級が3つの区分に分かれることなどについて、詳しく説明しています。耐震等級の種類や安全性についてもわかるのでぜひ、最後までお読みください。
耐震等級とは?
建物の地震の強さや耐震性能を示す指標には、耐震等級というものがあります。あなたがマイホームを建て、購入したりすることがあれば知っておく必要があります。一度や二度、耳にしたこともあるかもしれません。
「耐震等級」を理解することで安心・安全なマイホームにつながりますので、知識を身につけていきましょう。
建物の耐震性を高める4つの要素とは
建物の耐震性を計算する際には「建物の重さ」「耐力壁」「耐力壁や耐震金物の配置場所」「床の耐震性能」の4つの要素があります。建物自体が軽ければ、地震の揺れは小さくなりますが逆に重くなることで揺れが大きくなります。
また、耐力壁は、地震や火災などに生じる横からの力に優れているかです。この耐力壁と耐震金物の配置場所をバランスよくすることで最大値の高さを発揮させます。そして床の耐震性能を強め、建物の耐震性をさらに高めることができるのです。
耐震等級の3つの区分
耐震等級には、1から等級3までの3段階で示されます。等級1とは、建築基準法の耐震性能を満たす強さになり、等級2になると1に対して1.25倍の強さです。等級が3になれば1の1.5倍の強さをそれぞれ持つ区分です。
つまり、耐震等級1に満たしていなければその建物は、危険なレベルの耐震性であることがわかります。学校や病院などの公共施設は、災害がおこった場合の非難する場所ですので、等級は必ず2以上とされなければならないとされています。
耐震等級の調べ方
建物には、耐震等級があることがわかりました。では、どのように耐震等級を調べることができるのでしょうか。調べ方には「住宅性能評価書を確認する」方法と「耐震診断を行う
」方法の2つがあります。住宅性能評価書とは、国土交通大臣の認可を受けた第三者評価機関が住宅の性能を評価し、その結果を記した書面のことをさします。住宅性能評価書を確認する方法は、新築戸建ての場合では、ハウスメーカーや工務店に前もって申請をすることをおすすめします。
しかし、検査費用や申請の手数料は、無料ではないため注意が必要です。おおよそ10〜20万円くらいを目安にするとよいでしょう。耐震等級の取得のメリットとして、地震保険料の割引や長期間、優良住宅の認定を受けることができます。
ですから住宅性能評価書によって、耐震等級を証明する必要があることも知っておくとよいでしょう。また、注文住宅の場合は、希望する耐震等級で建てることができます。その場合は、早い段階で伝えることが大切です。
新築マンションの場合には、購入したマンションのデベロッパーに確認することで住宅性能評価書を取得できます。中古戸建や中古マンションの場合は、仲介した不動産会社やマンションの管理会社に確認されるとよいでしょう。また、住宅性能評価書の取得も可能です。
耐震等級が高い家のメリットデメリット
では、耐震等級が高い家に住むと、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。
耐震等級が高い場合のメリット
ひとつには、耐震等級によって、地震保険料が安くなります。地震保険には、耐震等級割引がありますので、等級が高くなると割引率も高くなります。たとえば、耐震等級1の場合は10%の割引率、等級2の場合は30%の割引率、等級3の場合は50%の割引率です。
耐震等級が高くなると、過去の大きな地震がおこった際の被害が少なかったこともわかっています。
ですから、地震保険の割引率が増加しているのもその理由です。二つ目に、フラット35の場合条件を満たしていることで、「フラット35S」の耐震等級に応じて借入金額の金利が引き下げられるメリットもあります。
耐震等級が高い場合のデメリット
もちろん、メリットだけではなく、デメリットも知っておかなければなりません。耐震等級が高い家を建てることは、メリットが多くあります。しかし、建築コストが高くなることで費用も高くなりがちです。
高い耐震等級を維持するには、相当の壁量が必要です。耐震等級が高くなれば、壁の厚みや柱の距離を考慮するため希望通りの間取りにできないことも考えなければなりません。
まとめ
注文住宅の耐震等級や種類や安全性について解説いたしました。建物の耐震性を表す指標のひとつに「耐震等級」があり、メリットやデメリットがあります。「住宅性能評価書を確認する」方法と「耐震診断を行う」方法の2つがあります。
住宅性能評価書によって耐震等級を証明することができ、地震保険の割引率も高くなります。しかし、耐震等級を気にするあまり理想的なマイホームが建てられない場合もあります。
また、建物の耐震性を高める4つの要素もあり、この耐力壁と耐震金物の配置場所をバランス良く最大値の高さを発揮させることができました。耐震等級について知識を持つことで家族が皆安心できる重要な基準にしてください。